エコキュートはお湯を効率よく作れる便利な給湯機ですが、長期間使わないときやメンテナンス時には水抜きが欠かせません。もし水抜きをせずに放置してしまうと、凍結による故障や配管の破損、水質の悪化など、思わぬトラブルを引き起こすことがあります。安全に長く使うためにも、水抜きをしないリスクをしっかり理解しておきましょう。
エコキュートの水抜きを怠るとどうなる？見過ごせないリスク
エコキュートは快適な暮らしを支える便利な給湯機ですが、水抜きをしないまま使い続けると、思わぬトラブルの原因になることがあります。どんなリスクがあるのか、以下で詳しく見ていきましょう。
水質の悪化やニオイの原因に
エコキュートのタンク内には、水道水に含まれるカルシウムやナトリウムといった成分が少しずつ蓄積していきます。水抜きをせずに長期間放置すると、それらが水垢や汚れとなって残り、水質が悪化する原因になります。
お湯を使ったときに嫌なニオイがしたり、飲み水として利用できない状態になってしまうこともあるのです。快適にお湯を使うためには、定期的な水抜きが欠かせません。
お風呂のお湯が濁るトラブル
タンク内で発生した水垢や汚れは配管を通り、そのまま浴槽に届く場合があります。これによって浴槽の底や壁に黒い汚れが付着したり、お湯が白く濁ったりすることがあるのです。
入浴は本来リラックスのための時間ですが、汚れたお湯では気分も台無しです。快適なお風呂時間を守るためにも、水抜きを欠かさず行うことが望ましいです。
配管やフィルター詰まりのリスク
タンク内の汚れはやがて配管やフィルターに溜まり、目詰まりを起こす原因となります。水の流れが悪くなるとお湯の温度が安定せず、快適に利用できなくなる恐れがあるのです。
さらに、フィルターや配管の劣化を早めてしまうため、交換や修理に費用がかかることもあります。こうしたトラブルを防ぐには、日常的な水抜きが大きな役割を果たすといえるでしょう。
寿命の短縮や電気代アップにも影響
内部に汚れが残ると、部品が傷みやすくなり全体の寿命を縮めてしまいます。とくに熱交換器の効率が落ちると、お湯をつくる力が低下して余分な電力を消費する結果となるでしょう。
その影響で電気代が増えるだけでなく、突然の故障によって修理費が発生する可能性もあります。水抜きを怠らずに行えば、寿命を延ばし経済的にも安心できます。
エコキュートの水抜き方法！安全に作業するための基本
エコキュートは定期的に水抜きをすることで、タンクや配管の汚れを防ぎ、長く安心して使えます。作業は難しくなく、特別な技術もいりませんが、正しい手順と注意点を知っておくことが大切です。ここでは準備から流れまで詳しく紹介します。
水抜きに必要な道具をそろえよう
エコキュートの水抜きは、複雑な工具を使う作業ではありません。ただし安全に行うためには、いくつか準備しておきたい道具があります。たとえば、排水時に手を守るための軍手は欠かせません。排水口や部品に触れるときにケガや汚れを防いでくれます。
さらに、脚部カバーがネジで固定されている場合にはドライバーも必要になるでしょう。あらかじめ道具をそろえておくことで、作業をスムーズに進められます。
エコキュート水抜きの基本手順
次に、実際の作業手順を押さえておきましょう。まず、漏電遮断器をオフにしてから給水止水栓を閉じます。次に逃し弁を開け、排水栓を開けて1〜2分程度排水してください。
水が抜けたら排水栓をしっかり閉じ、止水栓を再び開けます。続いて逃し弁を元に戻し、漏電遮断器をオンにしてください。
最後に蛇口から水とお湯が出るかを確認すれば完了です。順番を守ることでトラブルを防ぎ、安全に作業できます。
作業時に気をつけたいポイント
水抜きの際には注意すべき点がいくつかあります。まず、排水時に熱いお湯が出ることがあるため、直接触れないようにしてください。やけどを防ぐためにも、手袋をつけて作業すると安心です。
また、漏電遮断器の操作は必ず乾いた手で行いましょう。ぬれたまま触れると感電の危険があるため、非常に危険です。安全に進めるためには、焦らず順序を守りながら丁寧に行うことが大切です。
エコキュートの水抜きはどのくらいの頻度で行うべき？
エコキュートは便利で長く使える給湯機ですが、快適さを保つためには定期的な水抜きが必要です。ただし、毎月のように頻繁に行う必要はありません。適切なタイミングを知っておけば、清潔で安心なお湯を使い続けることができます。
水抜きの目安
エコキュートの水抜きは、一般的に半年に1回、つまり年に2〜3回ほどで十分です。貯湯タンクにはゴミが入りにくいようフィルターがついているため、頻繁に行わなくても問題ありません。
ただし、4〜6か月経つと少量の不純物がお湯に混じる可能性があるため、定期的に水を抜いて清潔さを保つことが大切です。
おすすめのタイミング
水抜きは、年末の大掃除や長期休暇の前後など、決まったタイミングで行うと習慣にしやすくなります。作業自体は1〜2分程度で終わるため、大きな負担にはなりません。
ゴールデンウィークや年末年始などの区切りに合わせて行えば、忘れにくく効率的です。快適で清潔なお湯を維持するために、無理のないペースで水抜きを取り入れましょう。
まとめ
エコキュートを長く安心して使うためには、水抜きという作業が欠かせません。放置すると水質の悪化や配管の詰まり、さらには寿命の短縮につながる恐れがありますが、手順を守れば難しい作業ではありません。準備する道具も少なく、数分で終わるため習慣にしやすいのも特徴です。実施の目安は年に2〜3回で、家の大掃除や長期休暇など区切りの時期に合わせると忘れずに行えます。安全に注意しながら定期的な水抜きを行い、清潔で快適なお湯を保ちましょう。
