エコキュートと太陽光発電の組み合わせは、エネルギー効率の向上と環境負荷の低減を実現するため、近年、推奨されています。エコキュートは空気の熱を利用して効率的にお湯を作るシステムであり、太陽光発電はクリーンな電力を供給するものです。持続可能な未来を目指すために、2つの技術を組み合わせることに注目してみましょう。
エコキュートと太陽光発電の組み合わせとは
エコキュートと太陽光発電の組み合わせは、エネルギー効率の向上と環境保護の観点から非常に注目されています。エコキュートとは、空気中の熱を利用して効率的にお湯を沸かす給湯器で、通常の電気やガスを使用する給湯器と比較して、省エネルギー性能が高いのが特徴です。
一方、太陽光発電は、太陽の光エネルギーを直接電気に変換する技術で、クリーンで再生可能なエネルギー源として広く利用されています。2つを組み合わせると、家庭内でのエネルギー利用が最適化され、無駄のない電力活用が可能となります。
具体的には、太陽光発電によって日中に生成された電力をエコキュートに供給すると、太陽光の余剰電力を有効に活用しながら、お湯を作ることが可能です。結果として、電力の消費タイミングと供給タイミングを一致でき、エネルギーの効率的な使用が実現します。
ただし、エコキュートや太陽光発電システムの仕様は、メーカーやモデルによって異なるため、家庭のニーズや設置条件に合わせた適切な機器選びが重要です。自分の家庭に最も適したシステムを選ぶと、最大限の効果を得られるでしょう。
エコキュートと太陽光発電を組み合わせるメリット
エコキュートと太陽光発電を組み合わせるのには、多くのメリットがあります。以下で、主なメリットについてみていきましょう。
昼間の電気代を抑えることが可能
まず、昼間の電気代を抑えることができる点があげられます。太陽光発電システムを導入すると、昼間に太陽光から発電した電力を使ってエコキュートでお湯を沸かすのが可能です。
とくに、オール電化住宅では、昼間の電気料金が高く設定されている場合が多いため、メリットは非常に大きいでしょう。
さらに、エコキュートは温度の高い日中の方が発電効率が高く、もっとも効率的にお湯を作れます。
深夜電力プランとの併用で効率的に節電可能
深夜電力プランとの併用で、さらなる節約効果があります。深夜電力プランとは、電力の需要が高い日中から夜間へピークシフトを促進するためのプランであり、夜間の電気料金が割安に設定されています。
具体的には、23時から翌朝7時までの時間帯において、エコキュートを利用してお湯を沸かし、日中はできるだけ太陽光発電の電力を使用すると、電気代をさらに削減可能です。
卒FIT後の電力を自家消費に使える
卒FIT後の電力を自家消費に利用できる点も大きなメリットです。卒FITとは、固定価格買取制度(FIT)による売電期間が終了することを意味します。期間が終了すると、従来は売電していた電力のうち約70%を新たに自家消費に回すのが可能です。
これにより、以前は売電収入として得ていた分を自宅で消費すると、電気代の大幅な削減が期待できます。
エコキュートと太陽光発電を組み合わせた際のリスク
エコキュートと太陽光発電を組み合わせることには多くのメリットがありますが、同時にいくつかのリスクも伴います。以下で、くわしく見ていきましょう。
停電時に使えなくなる可能性がある
停電時にエコキュートが使えなくなる可能性を考慮する必要があります。太陽光発電があれば日中は自家発電が可能かと思いきや、エコキュートは高い電圧を必要とするので太陽光発電だけでは使用できなくなる可能性があるのです。
停電時に使いたい電力はエコキュートだけではないでしょう。そのため、電圧の高いエコキュートを使うほどの電力を太陽光発電だけでは賄えないのです。
前述のリスクを軽減するためには、蓄電池の導入が推奨されます。蓄電池を使用すると、停電時でも蓄えた電力を使ってエコキュートを動かせ、安心して電力を使用可能になります。
定期的なメンテナンス費用が必要となる
エコキュートと太陽光発電システムには定期的なメンテナンス費用が必要です。エコキュート本体と太陽光発電のパワーコンディショナーは、いずれも10年を目安に点検や交換が必要となります。エコキュートの交換にかかる費用の相場は30〜60万円程度とされており、家庭にとって大きな出費となるでしょう。
さらに、太陽光発電のパワーコンディショナーの交換や本体交換にも、30~40万円程度が必要です。
これらのメンテナンス費用は、メーカーやモデルによって異なるため、事前に詳細なコストを把握しておくのが重要です。
まとめ
エコキュートと太陽光発電の組み合わせには、多くのメリットがありますがリスクも存在します。メリットとしては、昼間の電気代削減や深夜電力プランの活用によるさらなる節約効果、卒FIT後の余剰電力の自家消費があげられます。一方で、停電時にエコキュートが使えなくなる可能性や定期的なメンテナンス費用といったリスクも伴います。
リスクを理解し、適切な対策を講じると、エコキュートと太陽光発電のメリットを最大限に活用し、持続可能で経済的なエネルギー利用を実現しましょう。